- 実際どんな風に計算するんですか?
- 具体的な計算ということになると、これがまた複雑なんですけど、説明しましょうか。
まず分母にあたる総収入金額から、
- 国・地方公共団体又はわが国が加盟する国際機関からの補助金
- 国等からの委託対価収入等、資産売却等による臨時収入
- 一者で1,000円以下の寄付
- 寄付者の身分等を明らかにできないもの
- 遺贈による寄付金及び相続を起因とする贈与等により受け入れた寄付金のうち「一者当たり基準限度超過額」に相当する分
のそれぞれを差し引きます。
なお、この
「一者当たり基準限度超過額」のことですが、同じ人からの寄付総額がそのNPO全体として受け入れた寄付総額の5%を超えているのであれば、その越えた金額をいいます。
ただし、その寄付が特定公益増進法人や他の「認定NPO」からの場合だと、その限度額は受入寄付金総額の5%ではなく50%を超える額に引き上げられます。
したがって、その場合は分子に占める寄付額が増えることになりますよね。
同じように、分子にあたる受入寄付金総額からも、
- 「一者当たり基準限度超過額」
- 一者で1,000円以下の寄付
- 寄付者の身分等を明らかにできないものを引きます。
ちなみに、この割合の判定に際してですが、寄付者の中にある人がいて、その人の配偶者や三親等以内の親族(これを「親族関係を有する者」といいます。)もいる場合は、この「親族関係を有する者」もその人と同じとみなして「一者当たり基準限度超過額」が算定されるのです。
また、仮にNPOの役員や社員自身が寄付をしているのであれば、同一者とされるのは配偶者、三親等内親族にとどまりません。その寄付者と事実上婚姻に近い関係にある人や寄付者の使用人、あるいは何らかの形で寄付者から生計の援助を受けている者まで含まれ、しかもこれら特殊な関係者と生計を一にする配偶者や三親等以内の親族まで範囲が広げられることになります。
ところが、自NPOの役員又は社員ではない一般の人からの寄付金については、その配偶者及び三親等内親族までをまとめて同一者とみなす必要はなく、寄付をした各人ごとに受入寄付金総額の5%超部分の「一者当たり基準限度超過額」の計算を適用できますから、分子への算入額が増えることになりますね。
それから受入寄付金総額を総収入金額で除する際には、分母の「総収入金額」から「国、地方公共団体又はわが国が加盟する国際機関からの補助金」を差し引く方法とは別に、それらを分母から差し引かず、同時に分子にもその「受入寄付金総額」までを限度として補助金の額を算入できる方法も選択できます。
それと、自NPO社員からの会費収入についても、合理的かつ画一的なベンチマーク・・・つまり基準のことなんですが、それによって社員の共益活動部分を会費収入から除外できるような場合は、残りの部分を分子に算入することができるようになります。ただし、これも分子の「受入寄付金総額」までを限度とします。
- ・・・パブリックサポートテストってかなり大変なんですね。
- 原則はそうです。ただ、平成18年度の税制改正で上記のパブリックサポートテストによらない方法も導入されています。所定の要件を満たした小規模なNPO向けの簡易方式だと思ってください。
その内容ですが、2年平均の総収入金額が800万円未満の小規模なNPOであれば、その期間を通じて
- NPO役員、社員以外の50者以上から
- 一者につき3,000円以上の
- 寄付者を明らかにできる寄付金がある場合は
次の計算式をパブリックサポートテストに代えることができるというものです。
(受入寄付金総額-一者あたり基準限度超過額)+国等の補助金+社員会費
(総収入金額-国等の委託事業収入等) |
≧ |
1/3 |
|
これは平成18年4月1日から平成20年3月31日までの認定申請に係るものであり、さきほどチラリとふれた各事業年度における寄付割合が10分の1である必要もありません。
あなたが所属しているNPOの規模はわからないのですが、念のためこのことも知っておいてください。